運動って好き?嫌い?
みなさんは運動が好きですか?嫌いですか?
好きだから楽しく運動に取り組んでいる人,あるいは嫌いだから運動なんてしていない人など様々な人がいると思います。
それでは,ここで少しみなさんの小さい頃(幼児期)を思い出してみましょう。小さい頃は運動が好きでしたか?嫌いでしたか?おそらく好きだったという人が多いと思います。これは,幼児期の自分に対する認知の仕方と関連しています。幼児期の子どもは「自分は何でもできる」というように自分を捉える傾向にあります。そのため,「運動が得意」と自分に対する肯定的な認知をもちやすいのです。その「運動が得意」という認知は,「運動が好き」という感情と結びつきやすかったり,「運動が好き」と感じることによって「運動が得意」と認知したりする傾向もみられます。
運動が上手にできない子の認知と感情のメカニズム
以上のように考えると,運動があまり上手にできない子は,成長して自分と他人を客観的に比較することができるようになると,「自分は運動が下手なんだ」と認知してしまいます。そのような認知が「運動が嫌い」という感情につながる原因の1つとして考えられます。それでは,運動嫌いな子をうまないためにはどうしたらよいのでしょうか?
運動指導のポイント
運動嫌いな子に限らず,様々なタイプの子どもの運動指導において最も重要なことは,子どもが運動をする機会を捉えてよく褒めることです。「な~んだ,そんなことか」と思われるかもしれませんが,幼児期の子どもにとって,親や保育者に褒められることはこの上ない喜びなのです。そのような喜びは「運動って楽しいな」「運動が好きかも」という感情につながりやすいのです。このようにして,子どもが運動に対する肯定的な感情をもつようになると,運動に積極的に取り組むようになります。結果として,運動が上手にできるようになるし,運動が得意だという認知にもつながり自信を獲得していきます。そして,一層運動に意欲的に取り組むようになります。
なお,子どもを褒める時のポイントとしては,ある運動を上手にできたという「結果」よりも,上手にできるようになるために努力したという「過程」を褒めることです。「過程」を褒めることは,「結果」がどうであったかにとらわれることなく実行できます。運動は子どもでもできた・できなかったということが理解しやすいという側面をもっています。つまり,客観的に比較することが苦手な子どもでも,できなかったという「結果」に目がいきやすくなってしまうということです。だからこそ,「結果」よりも「過程」に目を向けて褒めることが大切なのです。
最後に
この他にも,子どもに対する運動指導のポイントはたくさんあります。その他のポイントについては,ぜひみなさんで考えてみて下さい。本学では,関連する授業の中で学んでいくことができます。
最後になりますが,将来的に保育者として子どもに運動指導をしたいと考えている方は,今すぐにでも「名運動指導者」への第一歩を踏み出すことができます。それは,まずあなた自身が運動を好きになることです。
それでは,また機会がありましたらお会いしましょう。